「地域循環型木造住宅生産システム」
ヒト・モノ・ワザの継続的な循環
1.はじめに
世界の森林が過剰な資源利用によって減少・荒廃しているなか、日本の国土の約67%を占める森林は、建築材国内需要のほとんどを賄うだけの産出量がありながらあまり利用されることなく、世界とは逆の形で森林の荒廃が進んでいる。
そのような状況下、木材・林業分野では森林の整備・保全と木材の供給確保と利用促進が大きな問題となっており産学官が一体となって国産材の利用促進と持続可能な森林経営を実現させるべく全国各地で地域生産・地域消費が目指されている。
しかし、木材製材品の出荷先の8割を占める建築分野では、木造が半数以上を占める住宅においても木材そのものが建築の構成部材のひとつに過ぎず、国産木材か輸入木材かどうかはあまり問題にされていないことから、地域材活用の問題認識や知識があまり浸透していない現状がある。
その一方、住宅には地域の多様な気候や風土条件にあった住まいや、地域の生活・習慣、歴史、文化を生かした住まいづくりという課題がある。
当サイトで研究する「地域循環型木造住宅」とは、それら建築と林業・木材がリンクしあった生産システムのもとつくられるものを考える。
2.研究概要
日本における国産木材の流通は複雑で、川下に位置づけられる建築現場から川上に位置づけられる木材生産現場が見えない状況と言われている。
また、その木材生産地は大量生産型と地産地消型に分類でき、両者の混在地域も全国に多くある。
当研究所では、群馬県の主な生産木材である杉と松を活用した木造住宅の可能性について研究し、その現状と問題点および将来性を考察する。